契約書の種類からみる契約書のポイント

ここでは、頻繁にトラブルが生じる代表的な契約書をみてみましょう。

売買契約書

秘密保持契約書

請負契約書

不動産賃貸借契約書

 


売買契約書

売買契約書とは、売り手と買い手の間で、商品やサービスの取引に関しての約束事(取引や支払いの条件等)を書面にしたものです。事前にお互いが合意した売買の条件を明確にし、合意の上で取引することを目的とします。
取引(発注)が継続的に行われる場合のパターンの契約書と、取引が1回限りのパターンの契約書とがあります。

【注意点】

売買契約は、売主と買主が対等の立場で締結し、一度契約書を作成すると、その取引は契約書の記載内容に従って進められ、将来、紛争が生じたとしても違法な契約でない限り、原則、契約書に基づいて処理されますから、取引の際には内容を十分確認してから契約を結ぶ必要があります。
企業間の契約となると、信用関係について特に慎重にならなければならないため未然にトラブルを防止するための措置をできる限り用意することによって、安全な事業活動を確保することができます。


秘密保持契約書

業務提携やシステムの導入の検討に際し、相手方に企業の営業上の秘密事項や商品に関する秘密事項など秘密情報が開示されることがあります。そこで、秘密情報の開示に先立ち、秘密情報を目的外に使用しないこと、第三者に開示しないこと、厳重に保管することなどを取り決めておく必要があります。そのために締結されるのが、「秘密保持契約」です。

【チェックポイント】

 ①秘密情報の定義
 ②秘密保持から除外されている情報
 ③秘密情報を開示する目的
 ④情報開示の範囲
 ⑤秘密情報の管理方法の規定
 ⑥秘密情報の返還・廃棄・消去の条項

秘密保持契約は、取引の際に、頻繁に締結される契約であるため、契約書の内容についてしっかりと目を通さない方も多いかと思われます。しかし、契約書の確認を怠ると問題発生時に自社がすべての責任を負うことになりかねません。秘密保持契約書の内容が自社に損害を及ぼしてしまうリスクを回避するためにも、十分確認してから契約を結ぶ必要があります。

 


請負契約書

 【請負契約と委任契約】
請負(民法632条)
請負は、当事者の一方がある仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果に対してその報酬を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。
委任(民法643条)
委任は、当事者の一方が法律行為をすることを相手方に委託し、相手方がこれを承諾することによって、その効力を生ずる。

このように請負契約には仕事の完成義務があり、委任契約に完成義務がなく仕事を誠実に処理するものという特徴があります。

典型的な請負契約の例としては、建設業者によって行われる建築や土木などの工事としての建設工事請負契約があります。他には、運送契約、製造契約、ソフトウエアの開発契約などがあります。

【注意点】

ビジネス上の取引としての請負契約では、一般的に、なんらかの物品や情報成果物の作成が請負契約上の「仕事」となっています。この場合、仕事の完成だけでは意味がなく、仕事の完成後、その権利が誰にどのように帰属するか、そしてその権利の移転の時期がいつなのかが問題となります。

 


不動産賃貸借契約書

賃貸借契約とは、当事者の一方がある物の使用及び収益を相手方にさせることを約し、相手方がこれに対してその賃料を支払うことを約することによって効力を生ずる契約のことをいいます。
賃貸借の目的物を使用収益させる方の当事者を「貸主」「賃貸人」といい、目的物を使用収益して賃料を支払う方の当事者を「借主」「賃借人」といいます。
賃貸借契約は、売買契約などと異なり、契約関係をある一定期間継続していくことに特色があります。そのため、賃貸借契約においては、当事者が誰かということだけでなく、返還時期も契約の本質的な要素と解されています。

【チェックポイント】

 ①賃貸借契約の当事者(賃貸人・賃借人)が誰か
 ②賃貸借の期間
 ②賃料及び敷金の金額
 ③賃料の支払い方法
 ④本件建物を転貸する予定がある場合、契約上の手当てをしているか。
 ⑤修繕費用はいずれの当事者の負担とするか。
 ⑥賃借人の造作買取請求権を特約で排除するか。
 ⑦賃借人に連帯保証人を付けるか。
 ⑧賃借人に連帯保証人を付けるとして、その者の信用は十分か。

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