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残業代請求を受けた際の対応方法
弁護士等から内容証明郵便が届いた場合
従業員やその代理人弁護士から、未払い残業代の支払いを求める内容証明郵便が送られてくる場合があります。内容証明には、「○○○○年○○月○○日までに、未払い残業代として、金○○○万円をお振込ください。上記期間内にお支払いがない場合には法的措置をとることになります。」等として支払い期限が記載されていることが多いです。
しかし、支払い期限が記載されているからといって、慌てて請求金額を振り込んでしまうことは避けましょう。未払い残業代が発生している可能性が高いとしても、必ずしも請求金額が正しいとは限りませんので、未払い残業代の有無・額を調査する必要があります。また、未払い残業代を払うとしても、後から追加請求を受けることのないように、当該従業員との間で、他に債権債務関係が一切ないことの確認を書面で取り交わしておく必要があります。したがって、内容証明郵便が届いたら、直ぐに支払うのではなく、まずは相手方に対し、「事実の確認と調査に時間を要するので、しばらく時間をください。○○年○○月○○日までに回答致します。」旨の連絡をすることをお勧め致します。
その上で、未払い残業代の有無・額を調査し、未払い残業代の支払いを検討しましょう。
さらに、今後も未払い残業代が発生する状況にあるのであれば、第2、第3の未払い残業代請求を受けることを防止するために、労働時間管理、賃金制度を是正する必要があります。
労働基準監督署(労基)から残業代不払いがあるとして是正勧告が出された場合
労基から、残業代不払いがあるとして、是正勧告が出されることがあります。この場合、未払い残業代の有無・額を調査し、未払い残業代が発生しているときには、これを支払って、残業代不払いの状態を是正する必要があります。また、未払い残業代の発生原因が、労働時間管理や賃金制度にある場合は、これも是正する必要があります。その上で、労基に是正報告をすることになります。
労働組合(労組)から団体交渉の要求が来た場合
従業員が、○○ユニオンといった合同労組に加入し、合同労組から残業代の支払いを求める団体交渉の要求が来る場合があります。この場合、交渉に臨むにあたって、未払い残業代の有無・額を調査する必要がありますので、交渉の日時・場所等を決めるにあたっては、十分な期間を設けるようにいたしましょう。
その上で、未払い残業代の有無・額を調査し、未払い残業代の支払いを検討しましょう。
さらに、今後も未払い残業代が発生する状況にあるのであれば、第2、第3の未払い残業代請求を受けることを防止するために、労働時間管理、賃金制度を是正する必要があります。
団体交渉にあたっては、相手方は法的知識を勉強した複数名で臨んできますので、不安があるようであれば、弁護士に同席してもらうことをお勧めします。
裁判所から労働審判申立書が届いた場合
裁判所から労働審判申立書が送られてきた場合、第1回労働審判期日までに、事実の確認と調査をした上で、答弁書の作成、争点に関する証拠の収集、関係者の陳述書の作成、証拠説明書の作成等を行う必要があります。これは、一般の方には難しいと思いますので、弁護士に依頼することをお勧め致します。
また、裁判所より労働審判申立書が届いてから、第1回労働審判期日まで、数週間から1ヶ月強ほどの期間がありますが、労働審判手続においては、第1回労働審判期日までに、主要な主張と証拠を提出することを求められ、第1回労働審判期日で、裁判所が心証を形成してしまいますので、期日の直前になって、弁護士に依頼されても、十分な準備ができず、結果的に依頼者に不利益になる恐れが強いです。裁判所より労働審判申立書が届いたら、できるだけ早く弁護士に相談することをお勧め致します。
裁判所から訴状が届いた場合
裁判所から訴状が送られてきた場合も、第1回口頭弁論期日までに、事実の確認と調査をした上で、答弁書の作成、争点に関する証拠の収集、関係者の陳述書の作成、証拠説明書の作成等を行う必要があります。これも、一般の方には難しいと思いますので、弁護士に依頼することをお勧め致します。