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パワハラについて
【パワハラとは】
「パワハラ」という言葉は,今日,社会的にも広く認識されるに至っており,パワハラ問題を巡って,裁判にまで発展する事例も少なくありません。
パワハラ行為とは,⑴職場における優位的な関係性を背景に,⑵業務上適正な範囲を超えて,⑶労働者に精神的・身体的苦痛を与えることをいい,具体的には,以下のような行為が典型例として挙げられます。
① 暴行・傷害
② 脅迫・名誉棄損・侮辱及びひどい暴言
③ 隔離,仲間外し及び無視
④ 業務上明らかに不要なことや遂行上不可能なことの強制,仕事の妨害
⑤ 業務上の合理性がなく,能力や経験とかけ離れた仕事を命じることや仕事を与えないこと
⑥ 私的(プライベート)なことに過度に立ち入ること
【パワハラ防止法】
令和元年5月29日に成立した改正パワハラ防止法(正式な名称は,「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律」)は,企業に対し,一定のパワハラ防止策等を講じることを義務付けています。
- 改正パワハラ防止法は,現時点(令和2年1月時点)では,まだ施行されておらず,具体的施行日も確定していませんが,報道等によれば,令和2年6月頃からの施行となることが予想されています。
【企業の責務について】
具体的なパワハラ防止策としては,パワハラ防止に関するルールを就業規則等に定め,研修などでそのルールを周知・啓発すること,パワハラに関する相談窓口の設置やアンケート調査等を実施し,必要に応じて従業員らに対する指導等を行うことなどが考えられます。
企業が,適切なパワハラ防止措置を講じなかったために,パワハラを防止できなかった場合,企業には,被害者の方に対する損害賠償責任など一定の法的責任が課される可能性があります。また,パワハラ行為は,会社の業務行為としての形式でなされることもあり(例えば,人事権行使としてなされた降格処分等が,合理性を有しないのみならず,労働者に対する不当な目的によってなされ,当該労働者に耐え難い精神的苦痛を与えたような場合など),このような場合には,当該降格処分が法律上無効なものとして取り扱われることとなります。
【弁護士ができること】
企業には,パワハラを未然に防ぐためのルールとして,どのような規定を定めるべきかといった判断や,その前提として,そもそもどのような行為がパワハラに該当するのかといった理解が求められます。さらに,実際にパワハラ問題が生じた場合には,企業としてどのような対応をとるべきかといった判断を求められることになります。
このようなパワハラ防止のルール作りや,パワハラ問題が生じた場合における事後対応の仕方等に関しては,専門家から法的観点に基づくアドバイス等を求めることをお勧めします。
当事務所では,パワハラ防止のために必要な就業規則等のルール・体制作りに関するアドバイスや,パワハラ問題が生じた場合における事後的な訴訟対応など,パワハラ問題に関する様々な法的サービスをご提供いたしますので,お気軽にご相談いただければと思います。